インフルエンザの流行が心配な時期がやってきました。予防接種をされた方も、手洗い・うがい、マスクや加湿器の使用などで、感染予防を心がけましょう。

 

風邪との違いは?

風邪とインフルエンザに共通する症状は、咳、喉の痛み、発熱です。インフルエンザウイルスに感染すると、これらの症状に加えて、悪寒、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速にあらわれます。
お子様ではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している方では肺炎を併発するなど重症になることもあります。抗インフルエンザ薬の多くは症状があらわれてから48時間以内に服用することで、症状が長引くのを抑えることができます。うたがわれる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

新薬「ゾフルーザ」とは?

2018年3月にインフルエンザ治療薬として新しい薬「ゾフルーザ」が発売されました。従来のインフルエンザ治療薬と大きく異なるのは、ゾフルーザは細胞内でウイルスが増殖すること自体を抑える点です。このため、ウイルスが体内から検出されなくなるまでの期間が短くなり、身近で看護する人へうつるリスクが少なくなること、病後の通勤や職場・学校等でウイルスの飛沫・空気感染拡大に対しても一定の抑制効果があることが期待できます。1回の経口投与で治療が完了するため飲み忘れの心配がなく、吸引力の弱い高齢者にとっては飲みやすいという利点もあります。
価格が内服薬のタミフルや吸入薬のイナビル・リレンザに比べてやや割高である点、インフルエンザの症状をおさえるわけではない点をご理解ください。
ひまわりクリニックではゾフルーザを含め4種類の薬の処方が可能です。症状と受診のタイミング、患者さまのご希望などを考慮して、処方の有無と薬の種類を決めさせていただいております。

 

抗インフルエンザ薬の予防投与

原則として「家族など同居する人が、インフルエンザにかかっている」かつ「かかった場合に重症になりやすい(注:下記4例のどれかに該当する)」方には、予防投与が認められています。

(1)高齢者(65歳以上)

(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者

(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)

(4)腎機能障害患者

ただし、自費診療となり、薬剤はタミフル・イナビル・リレンザの3種類になります(ゾフルーザは現時点では予防を目的とした臨床試験のデータはなく、予防投与は認められていません)。
同居されているご家族がインフルエンザにかかった場合、65歳以上の高齢者で心配な方は、診療時にご相談ください。

 

前回お伝えした風しんの流行も依然として続いています。11月21日現在での風疹患者の報告数は 2,186 人となり、首都圏での患者数はこの6割を占めています。
風疹ワクチン・MRワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は可能です。どちらもワクチンの在庫確認が必要ですので、ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。

 

多くの自治体では、高齢者へのインフルエンザ予防接種の助成を行っております。詳しくはお住まいの自治体のホームページをご確認ください。

●浦安市 「高齢者インフルエンザ予防接種のお知らせ」
【接種期間】平成30年10月1日~平成30年12月31日

●市川市 「平成30年度高齢者インフルエンザ予防接種の実施について」
【実施期間】平成30年10月1日~平成31年1月31日
※「千葉県内定期予防接種相互乗り入れ事業」により実施する場合は、
平成30年12月31日までです。