5月26日に緊急事態宣言が解除され、長い自粛生活が終わりほっとしている方も多いでしょう。ただ、新型コロナウイルスの流行の恐れがなくなったわけではありません。

再び感染が拡大しないよう、一人ひとりが感染予防を続けていきましょう。

 

 

「新しい生活様式」の実践例

5月初め、厚生労働省から「新しい生活様式」の具体的な実践例が示されました。3密(密集、密接、密閉)の回避や手洗い・消毒などの基本的対策をはじめ、日常生活の各場面別の具体例や働き方の新しいスタイルについてウェブサイトにまとめられています。

 

個人が行う感染対策としては「①身体的距離の確保②マスクの着用③手洗い」の3点が挙げられており、②のマスクの着用に関しては「外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用」することが推奨されています。

 

 

マスク着用のメリット・デメリット

主にインフルエンザの流行期や花粉症シーズンに着用されていたマスクですが、今では私たちの生活に欠かせないものとなりました。

不織布や布などさまざまなタイプがありますが、マスクをつける一番のメリットは、飛沫感染対策です。咳やくしゃみはもちろん、飛沫は普通の会話でも約1メートル飛ぶと言われています。 相手からの飛沫を防ぐと同時に、自分の飛沫を飛ばさないためにも着用するのは有効です。

 

一方、デメリットとしては、マスクをすることで体に熱がこもりやすくなることです。運動時には特に注意が必要で、十分な呼吸ができなくなったり、熱中症になったりするケースも報告されています。

5月になってから夏日(最高気温25度以上)や真夏日(30度以上)の日が増え、これに伴い熱中症のため救急車で運ばれる人が相次いでいます。体が暑さに慣れておらず、また真夏に比べて喉の渇きに気付きにくいこの時期は、“かくれ脱水”が起こりやすくなります。

特に高齢者はもともと体内の水分量が少なめ。マスクを着用することが多い今年は例年以上に注意が必要です。一日3回の食事時に加え、食事と食事の間・起床時・就寝前など、こまめに水分補給をするよう習慣づけましょう。

また、マスクで口がおおわれるので、体の他の部分(胸元や腕など)を露出した服装をし、体の熱を逃がすようにしましょう。さらに長時間のマスクの付けっぱなしは、熱中症のリスクを高めます。屋外で人と十分な距離(2メートル以上)が取れる場合はマスクをはずしましょう。

 

熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者です。また、熱中症は日中の炎天下だけではなく、室内や夜間に発生することも少なくありません。本人だけでなく、家族や周りにいる人たちも、エアコンを上手く利用して温度・湿度を調整する、水分補給や体調について積極的に声を掛けるなどをして、みんなで熱中症を予防していきましょう。

 

参考サイト

・厚生労働省「新型コロナウイルスを想定した『新しい生活様式』を公表しました」

・環境省 熱中症予防情報サイト