日に日に暑さが増してきますね。スイカや枝豆、鰻など夏の食材を食べて、美味しく夏バテ予防をしたいものです。そして召し上がったあとには、歯みがきをしっかりと。口腔ケアは虫歯予防にはもちろん、高齢者にとって危険な誤嚥性肺炎の予防にもつながるのです。

 

誤嚥性肺炎とは

本来食道から胃の方へ送られるはずの食べ物や唾液が、誤って気管や肺に入ることを「誤嚥」といいます。誤嚥によって唾液に含まれる細菌が肺に入り肺炎になることを「誤嚥性肺炎」といいます。食事のときにむせるなどのはっきりとした症状がある場合だけでなく、安静時や睡眠時に唾液が気管に逆流することによって生じることもあり、抵抗力が低下しているときは特に注意が必要です。厚生労働省の統計によると2018年の高齢者の死因第7位であり、約38,000人の方が命を落としています。

 

予防するには?

誤嚥性肺炎を予防するには、嚥下機能の維持・向上と口の中を清潔に保つこと(口腔ケア)の二つが基本です。
1.嚥下機能の向上……口と喉を動かしましょう
高齢になると、喉の筋肉が衰え食べ物を飲み込む機能が低下します。口と喉をよく動かし、筋力をつけましょう。発声・歌を歌う・早口ことばや口を大きく開けて「わははは」と笑うこと、首のストレッチやあごの下をマッサージして唾液を出すことも効果的です。食事の前の「嚥下体操」(全9項目・1~2分)を習慣化することもおすすめです。
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2.口腔ケア
口の中を清潔に保ち細菌数を減らすため、食事のあとは歯みがきをきちんと行いましょう。入れ歯の方は、食後に入れ歯を外して口をゆすぎましょう。外した入れ歯は専用ブラシでやさしくこすり洗いを。また、専用の洗浄剤でつけ置き洗いをすると、口臭予防にもなります。歯みがきが難しい方は、座位でうがいや口をゆすぐだけでもよいでしょう。横になった状態で歯みがきを行うときは、水で濡らしたブラシやスポンジブラシで拭くようにしましょう。

 

口腔ケアの利点…歯周病予防で全身疾患も予防できます

口腔ケアをきちんと行うことは、歯周病予防にもなります。歯周病の原因の多くは、プラークや歯石です。プラークとは歯に付着している白または黄白色の粘着性の沈着物で、非常に多くの細菌とその産生物から構成されています。これらの細菌を放置すると歯の根っこまでが浸食され歯を失うことになり、さらには細菌や毒素が体中に回って、最悪の場合は心筋梗塞・動脈硬化症などを引き起こすほど重症化してしまうのです。
歯周病は、毎日の歯みがきと定期的な歯科検診で歯石などを除去することで予防することができます。訪問歯科診療などを利用して、お口の健康=体の健康を保ちましょう。

 

ひまわりクリニックでは、訪問診療の際にお口の状態もチェックしています。何か気になることがあれば、ご相談ください。