外出自粛緩和を受け、家族以外の方との会食の機会も増えてきたのではないでしょうか。
ビールが美味しい季節にもなりましたが、飲みすぎにはご注意を。飲酒運転による交通事故は年々減少しているものの、依然として悲しい事故は後を絶ちません。一人一人が「飲酒運転を絶対にしない、させない」という強い意志を持ち、飲酒運転を根絶しましょう。
交通事故はドライバーが気を付けるのはもちろんですが、歩行者自身も気を付けなければなりません。警視庁によると、2021年中に交通事故で亡くなられた方は全国・都内ともに歩行中の割合が最も高くなっています。特に都内では、歩行中の死亡事故が約47.4パーセ
ント、人数にして63人。そのうち40人は65歳以上の方でした。


歩行中の事故の特徴

歩行中の交通死亡事故の原因の多くは、ドライバー側の安全不確認・歩行者妨害などです。しかし、歩行者側にも不注意・信号無視・無理な横断などの何らかの違反があるものが、じつに約65パーセントを占めています。この背景には加齢による身体機能の低下が指摘されています。


加齢による身体機能の低下

運動能力や視覚・聴覚などの身体機能の低下により「歩行者用信号が点滅しているのに渡り始め、渡りきれない」「車との距離を見誤る」「信号を見落とす」ことが、高齢者の事故で多くみられるパターンです。また、加齢により判断力や注意力などの認知機能も低下するため「横断禁止場所での横断」「車が来ないと判断し、信号を確認せずに渡る」といった事例もあります。
一般に、中高年の身体機能の低下は全体的に起こりやすいことが知られています。立ち上がる・歩くなどの運動能力の低下に伴い、判断力や注意力なども低下する可能性は高いのです。ひとつの目安となるのが、歩行速度の低下。他の人と一緒に歩いているときに自分だけ遅れがちになるといった変化を感じたときが、身体機能全体の低下を自覚するタイミングです。


事故を予防するには?

身体機能・認知機能の低下を受け入れることは大事ですが、だからといってあきらめる必要はありません。高齢者であっても、短時間の軽い運動によって脳が刺激され、判断速度や認知力が高まることがあるというデータがあります(筑波大学の征矢研究室による実験より)。
ポイントは軽いジョギングやウォーキングに相当する「低強度の運動を10分間」行うこと。簡単な体操やストレッチなど、出かける前に行うとよいですね。

また、歩行速度を上げることも大切です。加齢に伴い歩幅が小さくなることが歩行速度低下の最大の原因のため、いつもより少し大股で歩くよう心がけましょう。軽い屈伸運動で足の筋肉を刺激するのも効果的です。


自己防衛チェックリスト

横断するときは油断せず かならず左右を確認。
交差点では、歩行者用信号が青でも右左折車に注意する。
歩行者用信号が点滅したら横断しない。
薄暮時間帯(日没時刻の前後1時間)・夜間は事故多発、特に注意する。
夕暮れ~夜間外出時には明るい目立つ色の服装、反射材用品やLEDライト等を活用する。

車道の斜め横断はしない。

7月13日~22日は夏の交通安全週間です。正しい交通ルールを確認すると同時に、自身の身体機能をアップすることが事故防止につながる、という意識をもち、手軽な運動を始めるきっかけにもしてくださいね。