大型連休を前に、3回目となる緊急事態宣言が発令されました。コロナウイルス感染症はなかなか収束に向かわず、気が休まらない日々が続きます。引き続き、三密を避ける・手洗いうがい・アルコール消毒・換気を心がけ、食事・運動・睡眠の三本柱で免疫力を高めることが予防につながります。
からだをしっかりと休ませるための睡眠、今回はワンランク上の「質の良い」睡眠をとる方法をご紹介します。

 

睡眠の「時間」と「質」

これまでは「8時間睡眠」が必要と言われていましたが、現在では睡眠は体質や性別、年齢など個人的な要因に影響されるということがわかってきました。『睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版』(2019年)によると「睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分」とされ、睡眠時間にはこだわらなくて良いというのが専門家の見解です。

一方で、シニア世代に「長時間寝たのに熟睡した感じがしない」という悩みも多く聞かれます。これは、加齢によりノンレム睡眠が減少することが原因のひとつです。
睡眠中は、ノンレム睡眠(脳も眠る深い眠り)とレム睡眠(脳は活動したままの浅い眠り)を一晩に4~5回繰り返します。ノンレム睡眠で最も深い眠りを得られるのは最初の1~2回。つまり寝入ってから約3時間の間にノンレム睡眠に達すれば、朝起きたときに「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができます。

また、寝入ってから2,3時間後に分泌される成長ホルモンもポイントとなります。子供にとって特に大切な成長ホルモンですが、単に成長を促進させるだけでなく、細胞の修復と疲労回復にも役立っているのです。肌や内臓の細胞を新しいものに入れ替える「ターンオーバー」は成長ホルモンによって行われるため“若返りホルモン”とも呼ばれるほど。
よって、ノンレム睡眠と成長ホルモンの分泌、このふたつを満たすのが「質の良い眠り」です。
 

睡眠日誌をつけよう

時間より質、ではありますが、実際に睡眠時間が確保できない方や日中に眠気を感じる方は「時間」にも着目しなれればなりません。慢性的な寝不足から睡眠障害に発展する可能性があるため、「睡眠日誌」をつけてご自分の寝不足の状態をチェックしてみましょう。
「睡眠日誌」は、自分の眠りを正確に把握するための睡眠記録です。受診の際に有効な資料となりますので、眠りに悩んでいる方はまず記録されることをおすすめします。

※ヤマネ先生の睡眠日誌をダウンロードできます。こちらをクリックしてダウンロードしてください。

 

睡眠をサポートするアイテム

1.枕
体格にあった枕を選ぶとよいでしょう。高さや固さ、中身の素材を選べ自分好みの枕を作れるお店もあります。

2.パジャマ
汗や蒸れから体を守るコットン素材がおすすめ。夏には麻素材もよいでしょう。体が締め付けられていると寝返りがしにくいので、リラックスできるようなサイズとデザインを選びましょう。

3.アイマスク
遮光性が高く、自分の頭のサイズに合う(ゆるすぎない・きつすぎない)商品を選びましょう。使い捨ての蒸気温熱タイプや電気式のものもありますが、そのまま就寝する場合は注意事項をきちんと確認してくださいね。

4.ハーブティー
カモミール、ラベンダー、リンデンなどが安眠効果がある代表格。ハーブティーの中にはカフェインが入ったもの、利尿作用のあるものもあるので、専門店で相談にのってもらうことをおすすめします。


睡眠とアルツハイマー病の関係を研究しているアメリカのワシントン大学の研究グループによると、睡眠効率が悪い人は最大で5倍以上も初期のアルツハイマー病になる可能性が高いとされています。
高齢者は睡眠の質が低下することで睡眠障害を起こしたり、同時にβアミロイドなどの原因物質が蓄積しやすくなってアルツハイマー病を発症するリスクも高くなります。睡眠障害とアルツハイマー病とは、どちらが先に生じるのかはまだ判明していませんが、相乗的な関係にあるものと考えられています。
いくつになっても健康でいるために、しっかりと眠りましょう!

昨年10月に新規開業した浦安市明海のニューコースト新浦安3階「おひさまクリニック」では“子供から大人まですべての方のホームドクター”として、患者さまに寄り添った診療を心がけております。不眠には病気の原因がかくれていることもあります。ひまわりクリニックの訪問診療への移行も可能ですので、高齢者の方、ご家族の方、どなたもお気軽にご相談ください。初診からWEB予約も可能です。

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