7月、厚生労働省は2018年の日本人の平均寿命が女性87.32歳、男性81.25歳となり、ともに過去最高を更新したと発表しました。
男女とも、平成元年の平均寿命より5歳余り寿命が延びたことになりますが、この要因は医療の進歩でがん・心疾患などの死亡率が低下したこと、健康志向が高まって生活習慣が改善されたことだと言われています。
しかし、現在は平均寿命より”健康寿命”に注目が集まっています。

 

健康寿命とは

健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。高齢化が進む日本で重要視されはじめた目安のひとつですです。
たとえば平均寿命と言われている88歳で天寿を全うしたとしても、78歳から病気や介護が必要な状態になっていた場合、10年間は自立した生活が送れていなかったことになります。平均寿命と健康寿命の差は、要支援・要介護の状態の期間とも言えます。2018年に発表された資料によると、平均寿命と健康寿命の差は男性は8.95年、女性は12.3年で、女性の方が長いそうです。全体として健康寿命はのびていますが、「誰もが人生の最後まで健康に過ごせる」わけではないということです。

 

健康寿命をのばそう~ スマート・ライフ・プロジェクト

スマート・ライフ・プロジェクトとは、「健康寿命をのばしましょう。」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで、元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした、厚生労働省の国民運動です。運動・食生活・禁煙の3分野の具体的なアクションの呼びかけと、健診・検診の受診を勧めています。

毎日10分の運動をプラス
「10分」は一駅分・音楽3曲分です。「10分」だけ早歩きする、エレベーターを階段にする、自宅から「10分」の距離は歩くなど、ほんの少しの心がけで「10分」歩けば「1000歩」です。
1日あと70gの野菜をプラス
生活習慣病予防のためには350gの野菜が必要ですが、日本人の摂取量はだいたい280g、あと70gだけ不足しています。量にしてトマトなら半個分・野菜炒めなら半皿分。温野菜にする、朝食・昼食で取り入れるなど、少しの工夫をしてみましょう。
禁煙でタバコの煙をマイナス
たばこには4000種類にも及ぶ有害物質が含まれています。タバコを吸うことは健康を損なうだけでなく、肌の美しさや若々しさを失うことにも繋がります。自分と周りの人のためにも、禁煙するのが望ましいです。
「けんしん」で定期的な健康チェック
自覚症状がないまま進行する病気は少なくありません。早期発見・早期治療・早期回復するためには、定期的に自分のからだの状態を知っておくことが重要です。
「健診」と「検診」を受けましょう。

 
“人生100年時代”と言われていますが、長生きされている高齢者の中には、身体の機能が低下したり、認知症などを発症して、寝たきりの生活を送っている方も少なくありません。
1年でも長く健康で自立した生活を送るために、若いうちから生活習慣病の予防・改善を心がけ、健康寿命をのばす努力をしていきましょう。
ひまわりクリニックでは定期健診も随時行っておりますので、ご相談ください。