東京2020観戦チケット抽選結果が発表され、ますますオリンピック熱が高まっていますね。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて、2017年夏に産婦人科医・感染症の専門家が「“風疹ゼロ”プロジェクト」を立ち上げました。これは妊娠中のお母さんが風しんに感染することで「先天性風疹症候群」にかかってしまう赤ちゃんをゼロにして、風しんを完全に抑制しようという活動で、厚生労働省をはじめ行政・各種団体もこの活動を支援しています。
しかし昨年に引き続き、風しんが大流行しています。「風疹急増に関する緊急情報(2019年)」によると2019年6月19日時点での風しん患者の報告数は全国で1,793人となり、2018年一年間の患者総数2,917人の過半数をすでに超えています。

 

大流行の背景

昨年11月のひまわり通信でもお伝えしましたが、風しんは咳・くしゃみ・会話などからうつります。長い潜伏期間(平均16〜18日)や感染しても症状が出ない患者もいるため、本人も気付かないうちにウイルスをまき散らしてしまっているのが理由のひとつだと考えられます。
風しんは、ワクチン接種が最も有効な予防方法です。風しんに一度かかった人は体内に抗体ができますが、そうでない人はワクチンを2回接種することで99%抗体ができます。感染を拡大させないために、社会全体が免疫を持つことが重要です。

 

風しん抗体検査・予防接種の助成

大流行の状況をうけ、厚生労働省は公的なワクチン接種を受ける機会のなかった30~50 代の男性に「第5期定期接種」を行うことにしました。対象者は風しん抗体検査および予防接種を2022年3月31日までの3年間に限り無料で受けられます。医療機関だけでなく、事業所健診や特定健診の機会にその場で受けられる場合もあります。
対象者には住民票のある自治体からクーポン券を郵送しています。積極的に風疹抗体検査を受け、必要に応じて予防接種を受けましょう。

 

【対象者】昭和37年(1962年)4月2日から昭和54年(1979年)4月1日の間に生まれた男性(現在39歳または40歳~56歳または57歳の男性)

【期間】平成31年(2019年)4月1日~令和4年(2022年)3月31日までの間

 

医療機関は千葉県HP「風しん抗体検査実施医療機関リスト」で確認できます。
市川市・浦安市は「市川保健所管内」PDFをご覧ください。
なお、妊娠を希望する女性とそのパートナー・妊娠中の女性のパートナーへの助成もあります(MRワクチンは妊娠中には接種ができません。ワクチン接種後2か月は避妊が必要です)。
詳しくはお住まいの自治体のホームページでご確認ください。

●浦安市 「麻しん(はしか)風しん予防接種の費用を助成します」

風しん抗体検査・風しんの第5期定期予防接種のお知らせ

●市川市 「大人の風しん予防接種一部公費助成について」

大人の(男性)風しん抗体検査及び、予防接種について

 

麻しんの予防にもなります

MRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)は、麻しん(はしか)の予防にもなります。千葉県では2019年に入って22例の麻しん患者が発生しています。
麻しんの感染力は極めて強く、麻しんに対して免疫がない人がウイルスに感染すると、90%以上が発病し症状があらわれます。海外渡航後のみならず、発熱や発疹など麻しんを疑う症状が現れた場合は、必ず事前に医療機関に電話連絡でその旨を伝え、医療機関の指示に従い受診しましょう。

 

麻しんも風しんも、ワクチン接種で予防可能な感染症です。MRワクチンは本当にかかったことのある人が接種しても、3回以上接種しても、とくに問題はありません。
お電話にてご相談、ご予約ください(対象者の方は当日クーポン券と本人確認書類をお持ちください)。