秋も深まり、紅葉が楽しみな季節になってきました。過ごしやすいこの時期、フレイル予防のためにもウォーキングを始めてみてはいかがでしょうか。ウェアやシューズなど、かたちから入るのもひとつの方法ですね。
今回は、高齢者の方に最適な靴の選び方をお伝えします。

合っていない靴を履いていると……

靴を選ぶとき、まずはデザイン、その後に「〇〇センチ」というサイズで選んでいませんか?しかし、高齢者の靴選びで最優先してほしいのは「足に合っていること」です。靴が合っていないと無意識に不自然な力が入ってしまい、正しい姿勢を保てなくなります。その結果、猫背や体の歪みを引き起こし、頭痛・肩こりの原因になったり、偏平足や外反母趾・巻き爪などの足トラブルも起こりやすくなります。また、足腰に負担がかかることで転倒して思わぬケガをしたり、ひどい場合は骨折・寝たきりになったりすることもあります。「足に合って」おり「転びにくい」靴を選びましょう。


転びにくい靴って?

では、靴を選ぶ際のポイントをみていきましょう。

つま先が反りあがっているもの

重すぎず軽すぎず、適度な重さがある

靴裏に滑り止めがついている(ゴム製・溝が深いもの)

かかとが安定している

サイズがきちんと合っている

サイズに関しては、足の長さである「サイズ」(〇〇㎝)だけでなく、足の親指の付け根から小指の付け根までの幅である「周径」(A~EEEE)も合っているものを選びましょう。靴と足のスペシャリストであるシューフィッターの資格を持つ販売員がいるお店で、実際に試し履きをして選ぶと良いでしょう。いつも履いている厚みの靴下を忘れずに。



ルームシューズの選び方のポイント

自宅で過ごす時間の多い高齢者の方は、転びにくいルームシューズ(室内履き)を選ぶようにしましょう。
内閣府が公開している「高齢社会白書」によると、高齢者の転倒場所の1位は自宅となっています。筋力の低下により、畳のへりやマット類など数ミリの段差でも転倒する場合もあります。つまずきの原因となるようなものを床に置かない対策と同時に、高齢者に合ったルームシューズを選ぶことも事故防止の対策のひとつになります。
以下のポイントを参考に、やはり実際に試し履きして選ぶのがよいでしょう。

足の甲を覆い、かかとをしっかりと支えてくれるもの

足の甲がマジックテープで固定できるもの

広めの靴底で、つま先がとがっていないもの

靴底が滑りにくい素材(フローリングなどの床に引っ掛かりやすいため、室内ではゴム部分が厚いものは避ける)

自宅では柔らかい布素材、体を動かす機会の多いデイサービスでは厚手の布製がおすすめ


転びにくい靴やルームシューズを履いて歩くことで筋力維持、それが一番の転倒予防になります。さらに、着脱しやすい靴なら外出が億劫になることも減るでしょう。お気に入りの一足を見つけ、引き続き感染症対策をしっかりし、秋のウォーキングを楽しみましょう!