【活動報告】
「第3回浦安市医師会主催 浦安市グリーフケアを考える会」開催

2025年3月14日、ひまわりクリニック山田智子院長が理事を務める浦安市医師会の医療介護連携事業勉強会、「浦安市グリーフケアを考える会」が開催されました。

この勉強会は2022年より毎年開催しており、亀田総合病院緩和ケア室のチャプレンである瀬良信勝先生をお招きして行っています。今回は3回目の開催となりました。

今回の勉強会では、より深く議論を行うために少人数での事例検討会の形式を取り入れました。当日は40名もの様々な職種の方々にご参加いただきました。

グリーフケアに関するミニレクチャー

まず、瀬良先生よりグリーフケアに関するミニレクチャーをしていただきました。その中で、「支援者のグリーフケアは、援助が必要ない人には有害である」という冒頭の言葉は非常に示唆に富んでおり、グリーフ(悲嘆/喪失)は病気ではないこと、そして支援者の関わり方次第で逆に傷つけてしまう可能性があることを改めて認識しました。
一方で、適切なサポートがないと「遷延性悲嘆症(複雑性悲嘆)」へと進行する可能性があり、「うつ病」や「PTSD」との鑑別も重要であり、その見極めが支援者として必要だと感じました。

事例検討とグループワーク

その後、当院の宮本医師より「夫を亡くし独居、外出を控える80歳代女性」の事例を提示し、グループに分かれて議論を行いました。参加者からは「関わりに工夫をしている」という声がある一方、「戸惑う」「無力感を感じる」という意見も多く聞かれました。
この点について、瀬良先生は「あなたの感じる無力感は、相手が感じている無力感です。それに対して何かをしようとするのではなく、ただそれを感じること。そして、その感覚を言葉にできるならば、それを相手に伝えてください。」とコメントされました。
支援者にとって、「支えること」が目的であるため、何もできないと感じる状況には戸惑いを覚えることがあります。しかし、「そばにいることしかできない」こともあり、むしろそれが重要という言葉に、救われた参加者も多かったのではないかと思います。

支援者自身のグリーフに向き合う

グループワークの後半では「似たような経験はありますか?その時どのような気持ちになり、どのように対応しましたか?」というテーマについて話し合いました。

参加者の皆様が、自身のグリーフケアの経験や、さらには自身の経験したグリーフについて共有し、熱心に耳を傾けていたのが印象的でした。医療・介護の現場では喪失が日常化しており、自分の感情を一旦置かないと業務を続けられないことも多いと思います。しかし、ときには立ち止まり、その感情と向き合うことも大切ではないかと改めて感じました。

これまでの勉強会では、支援者がどのようにグリーフを学び、実践するかに焦点を当てていました。しかし、支援者自身のグリーフを癒す場としてもこの勉強会が役立つのではないかと感じています。

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