
在宅療養中の方々は、必ずしもご自宅の中で安静にしていなければならないわけではありません。趣味などで、日常生活に小さな楽しみを見つけることは、心の充足やリラックスにつながり、生活の質を高めるだけでなく、精神的にも健康的な効果をもたらします。 今回は、療養中の方でも取り組みやすい、趣味をご紹介します。ご家族やお友達と一緒に活動してみてください。
読書で認知機能と心の健康を維持!
読書は身体的な負担が少なく、本が一冊ありさえすれば、いつでもどこでも楽しむことができるため、気軽に始められる活動です。ストーリーから、心を震わす体験ができるのはもちろんのこと、文字を読むことで内容を理解し、記憶する過程は、脳の良い刺激となります。
スマートフォンやタブレットを使った電子書籍は、文字のサイズを調整し、暗い環境でも読書ができるという便利さがあります。また、目で文字を追うのが難しい場合には、最近人気のオーディオブックという選択肢もあります。横になったままでも、耳から物語を楽しむことができ、想像の世界に誘ってくれます。短編小説やエッセイ、あるいは昔楽しんだ童話や昔話など、比較的短い文章の本から読み進めてみてはいかがでしょうか?
好きな音楽で、リラックス!
音楽は、心を穏やかにしたり、気分を高めたりする効果があります。 心身に深い影響を与えるため、音楽を活用したさまざまな療法があるほど、古くから私たちの健康に密接にかかわってきました。
懐かしい曲を聴くこと、それに合わせて歌うことで記憶が呼び覚まされ、心地よい感情を引き出すことができます。ほかにも、穏やかなメロディや自然の音を聞くことでストレスが軽減され、睡眠の質が向上する効果もあります。
ウクレレやカスタネット、マラカスなど手軽にできる楽器に挑戦することもお勧めです。手先を使い、聴く、歌うなどを一度にすることは、様々な機能の維持・向上に役立ちます。
ご家族やご友人と一緒に楽しむことで、 気分も高まりそうですね。
自然との触れ合いで心身を癒す
自然と触れ合うこともお勧めの活動です。近所の公園や庭先で花や木々を観察したり、触れてみたり、日光や外気の空気を味わうことは、五感の刺激となり、心身のリフレッシュ効果が期待できます。
室内でも、観葉植物や季節の花を育てることで、達成感や喜びを見出すことができます。毎日の水やりや、植物が成長したり花をつけるなどの変化は、日々の生活に彩りを加えてくれます。
在宅療養中の方々が、落ち着いた日々を過ごすためには、日常的な活動がとても重要です。 自分のペースで無理なくできるものから始めて、少しずつ楽しみを見つけていきましょう。
何か新しいことを始めたら、ぜひ、訪問診療の際に、お話を聞かせてくださいね。