201611今年も残すところあとひと月となりました。
11月後半から、急に気温が下がり、空気も乾燥して、季節は本格的な冬に、感染症が心配な季節です。今月のひまわり通信は、在宅療養中の方に特に気を付けていただきたい「急性胃腸炎」がテーマです。

急性胃腸炎にかかると、激しい下痢やおう吐などで急速に体力が奪われます。ご病気をお持ちの方は、感染予防の徹底と、罹った祭には重症化を防ぐため、早めの対処が必要です。

 急性胃腸炎の種類

急性胃腸炎は、サルモネラ菌、病原性大腸菌などの細菌が原因のもの、ノロ、ロタなどのウイルスが引き起こすもの、まれに寄生虫によるものあり、特に冬場流行しがちなのが、ウイルス性急性胃腸炎です。

 感染予防策

感染予防は、ご本人だけでなく、ご家族も「持ち込まない」努力が必要です。ご家族全員で予防に努めるようにしましょう。

人混みを避ける

人出の多いところは、感染者に出会う確率が高くなり、リスクが高まります。できるだけ外出を避けるか、出かけるときはマスク等で予防し、帰宅時の手洗い・うがいを徹底します。

家族全員・訪問者も手洗いうがいの徹底を

患者さまご本人だけでなく、ご家族や来客も、手洗いうがいを徹底しましょう。「少しの間だから」と油断せず、家に入ったときは、まず洗面所に直行する習慣づけが有効です。

食事は、なるべく生ものを避け、良く火を通したものを

ノロウイルスは、熱に弱い性質があるため、しっかり加熱したものを食べるようにしましょう。中心の温度が85度以上になるのが、加熱の目安です。

 感染してしまったら

急性胃腸炎は一過性です。通常は数日で収まりますが、在宅療養中の方は、脱水症状などが心配です。契約中の患者さまで、急性胃腸炎が疑われる症状が出た場合は、ご一報ください。

水分を十分に

下痢やおう吐で、急速に水分が奪われます。こまめに水分を補給しましょう。

市販の下痢止めを飲まない

下痢やおう吐は、ウイルスを外に出そうとする体の反応です。止めてしまうことは逆効果になりますので、処方した薬以外は飲まないようにしてください。

胃腸に負担をかける食事を控える

体力をつけようとして無理に食べたりしないようにしましょう。激しい症状が出ているときは食事を避け、水分だけをこまめに。症状が落ち着いたら消化のよいものから、徐々に食事を再開します。

感染拡大を防ぐ

できるだけ接触を避け、使った食器を塩素消毒し、洗濯物などは分けて洗います。

おう吐物などを処理するときは、マスク、ビニール手袋をつけ、ふき取ったものなどは、ビニールに入れて厳重に口を閉じます。汚染された衣服や床などは塩素で消毒します。

なにかと忙しい季節になりますが、多忙な時こそ休息・睡眠を十分に取り、バランスのよい食生活で、体調を整えておくことが大切です。