今年の夏は、日本列島を挟むふたつの高気圧が活発で、平年より気温が高くなる見込みとのこと。6月末には関東甲信地方で観測史上最速の梅雨明けとなり、7月以降も全国的に厳しい暑さが続くことが予想されます。

 

気温の高い夏場は、汗をかいたり、エアコンの冷気や強い紫外線にさらされたりするため、お肌にとって過酷な季節です。
夏の皮膚のトラブルの大きな原因となる汗・紫外線の対策をしっかりするのが大切です。

 
 

夏に多い皮膚トラブル

汗疹・汗荒れ
汗をかくことは体温調節に欠かせない機能ですが、汗に含まれるアンモニアなどの成分による刺激で肌が荒れやすくなります。
汗が原因の皮膚炎と聞くとまず思い浮かぶのは、汗疹(あせも)ですね。しかし、実際に多いのは「汗荒れ」と呼ばれる接触性皮膚炎なのです。首回り、背中、腹回り、ひじの内側などの蒸れやすい部分や肌がこすれる部分、乾燥しやすい部分に起こりやすい汗荒れ。かゆみを伴うため、かきむしりから重症化することもあります。
汗をよくかく人がなりやすい傾向にありますが、発汗量が低下する一方で皮膚が薄くなり乾燥しやすい高齢者もかかりやすい疾患です。ただ、汗荒れはこまめに汗を拭くことで予防できます。

 

水虫・汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)・虫刺され
 手のひらや足の裏にブツブツした水疱、かゆみもある・・・まさか水虫⁈と疑う方が多いと思います。見た目や症状は水虫にそっくりですが、白癬菌(はくせんきん)を原因とする水虫に対して、汗を原因としているのが汗疱状湿疹です。水虫の市販薬は多く出ているため、ご自身の判断で購入される方も多いと思いますが、専門医による診断を受けることが大切です。
虫刺されも同様に、原因となる虫の種類や腫れ方などの症状によって治療方法が異なるので、早めの受診を心がけましょう。

 

冷房や紫外線による乾燥
エアコンの冷気、紫外線を受けた肌は、思いのほか乾燥していて、かゆみを引き起こします。また、皮膚の表面はベタベタしているけれど内側はカラカラという「インナードライ肌」もこの時期多く見られます。

 

夏のスキンケアのポイント

皮膚を清潔に保つ
 汗をかいたらこまめに拭きましょう。タオルでトントンと押さえるように拭きます。水で濡らしたタオルでも良いでしょう。たくさん汗をかいた時は、服を着替えたりシャワーを浴びるなどして、汗を皮膚に長くとどまらせないようにしましょう。

 

きちんと保湿する
 石けんの使い過ぎはお肌の乾燥をまねきます。また、洗う時はゴシゴシこすらず、石けんを十分泡立ててやさしく洗うイメージで。
お風呂上りの清潔な肌には、「夏だから大丈夫」と考えず、保湿剤をきちんと塗ることが大切です。

 
ひまわりクリニックでは、その症状に適切な薬の処方、塗り方のポイントもお伝えしています。また、乾燥予防のための保湿剤も、さまざまなタイプをご用意しております。
皮膚の疾患は、短期間で集中的に治療するのが効果的です。気になることがありましたら、お早めにご相談にいらしてくださいね。