6月4日から10日は「歯と口の健康習慣」です。おいしいものを食べられる楽しみは、健康な歯と口があるからこそ。
歯を失う主な原因は、むし歯と歯周病です。これらを予防して健康な歯と歯ぐきを保ち、同時に口腔機能を維持することで、健康寿命を延ばしましょう。
 

「オーラルフレイル」って?

「フレイル」という言葉をご存知でしょうか。2014年に日本老年医学会が提唱した、高齢者の身体の変化を示すもので、介護が必要になる手前の段階ともいえます。
オーラルフレイルとは、口の軽微な衰えを意味します。年齢とともに喉や口の筋肉が衰えると、噛んだり飲み込んだりといった口腔機能が低下する「口腔機能低下症」を引き起こします。その結果、食べられるものが少なくなり食事の偏りや低栄養から全身が虚弱(フレイル)、さらに進むと要介護状態になったり、誤嚥性肺炎の原因にもなることもあります。
この負の連鎖を断ち切るため、口腔ケアが重要視されています。 
 

口腔機能の低下は ささいな衰えから

オーラルフレイルは40代後半以降に兆候が表れる人が増えます。歯科医院で定期診療を受け、以下のようなささいな変化に気付いたら相談しましょう。

食べこぼしが気になる・硬いものが食べづらい
わずかなむせを感じることがある
口の中が乾燥する
会話で聞き返されることが増えた
口角が下がってきた
 

予防のためにできること

オーラルフレイルはQOL(生活の質)や寿命にも大きな影響を与えるため、若いころからの予防が大切です。
たんぱく質をきちんととる(1日75~90グラム目安)、しっかり噛んでしっかり食べる(噛みごたえのある食品を一品入れる)、音読・早口言葉など口周りの筋トレをするなど、日頃から心がけましょう。
楽しくトレーニングできるのは「カラオケ」や「吹き矢」。吹き矢は、口腔機能の向上と同時に、腹式呼吸が身につくことで脳の活性化にも効果があるとのことです。全国各地にさまざまな団体やサークル活動があります。
 

自治体のサービスも積極的に活用

多くの自治体は、訪問歯科診療のサービスを行っています。詳しくはお住まいの自治体のホームページをご確認ください。

●浦安市 「訪問口腔ケア指導相談・訪問歯科診療案内」

●市川市 「歯とお口の相談」担当:市川市歯科医師会 口腔サポートセンター
また、千葉県後期高齢者医療広域連合では、前年度75歳になった方を対象に歯科健康診査を実施しています(口腔診査・口腔衛生指導)。今年度の対象者は昭和18年4月2日から昭和19年4月1日生まれの方で、浦安市・市川市は対象者全員に受診票を発送しています。歯科健診を希望されるかたは、協力歯科医療機関に直接予約をして、受診してください(実施期間は2019年6月3日~2019年12月27日)。

 

浦安市では6月26日(水)に「口福ひろば」(市内在住のおおむね60歳以上の方が対象)というイベントも開催されます。
いくつになっても自分の歯と口で食べられるのは、幸せなことですよね。
ひまわりクリニックでは訪問歯科診療との連携もとっています。お口で気になることがあれば、ご相談ください。

参考:日本歯科医師会 「啓発活動~オーラルフレイル」