梅の見頃が過ぎ、そろそろ桜の開花が気になる季節になりました。
空気が乾燥するこの時期には、気付かないうちに体内の水分が奪われる「かくれ脱水」が起こりやすいので注意が必要です。

 
 

「かくれ脱水」とは

脱水症と聞くと、汗をかく夏をイメージする方が多いのではないでしょうか。実際、私たちは寒い中でも汗をかくことで体温調節をしています。しかし冬は汗をかいていると自覚しづらい上に、のどの渇きにも気付かず「かくれ脱水」の状態になっていることがあります。「かくれ脱水」とは、体から体重の1~2%の水分量が失われた状態で、脱水症の前段階だと言われています。
症状は「かくれ脱水」チェックシート(リンク先:教えて!「かくれ脱水」委員会)で確認することができます。高齢者の方は気付かないうちになっていることがあります。あてはまるものがあれば、早めに対策をしましょう。

 
 

「かくれ脱水」の原因と対策

室内の乾燥→湿度のコントロールを
最近の住宅は気密性が高く、エアコンなどの暖房器具を完備しているため、屋外よりも乾燥しています。加湿器を使用する、洗濯物を室内干しするなどして、湿度40~60%を保つようにしましょう。湿度40%以上だとインフルエンザウイルスやノロウイルスの活動をおさえる効果もあります。

 

喉の渇きに気付きにくい→水分補給を
 冬は汗をかいている自覚があまりなく、喉の渇きにも気付きにくいため、飲み物から水分をとる機会が少なくなります。積極的に水分補給をするようにしましょう。体内の水分量の少ない高齢者は、熱中症予防と同じく「3食きちんと食べて、食事からも水分をとる」「起床時・食事の前後・入浴の前後・寝る前に、湯のみ1杯の水を飲む」など、水分補給の習慣化をすると良いでしょう。

 

機能性肌着による発汗→着用時には注意を
薄くて温かい機能性肌着は重宝しますが、着用する場面を選びましょう。多くの衣料メーカーから販売されている冬用の肌着で「吸湿発熱効果」とうたっているものは、汗を熱に変えることで温かくなる繊維を使用しています。就寝時・運動時には汗をたくさんかくため、必要以上に肌の水分が奪われ、乾燥肌やかゆみの原因にもなります。就寝時には汗をよく吸う綿などの天然繊維、運動時には汗が乾きやすい素材が適しています。
薄くて温かいので外出時に重宝する機能性肌着ですが、暖房が効いている屋内ではやはり汗をかきすぎることもあります。肌着の上に着る衣類は着脱可能なものにする、普段以上に水分補給を心がけるなど、着用時には十分ご注意ください。

 
 

まだまだ肌寒い日が続きます。機能性肌着のメリットを活かす着用方法で、春のお出かけを楽しんでくださいね。
ひまわりクリニックでは、いよいよシーズンを迎えた花粉症のご相談も承っております。