首都圏を中心に、風疹の流行が拡大しています。
10月24日時点での風疹患者の報告数は全国で1,486人、東京都に次いで患者数の多い千葉県では前年比42倍の251名と大幅に増加しています。
風疹は子どもの病気と思われがちですが、今年発症した患者の96%が成人、8割以上が30~50代の男性です。風疹ウイルスは1人の患者から免疫がない5~7人にうつる強い感染力をもち、職場や地域での感染拡大が危惧されます。

 

感染経路・症状

風疹ウイルスの感染経路は、飛沫感染。インフルエンザと同じく、咳・くしゃみ・会話などで人から人へとうつります。
主な症状として発疹、発熱、リンパ節の腫れ、関節痛などがあり、脳炎など重篤な合併症を併発することもあります。
中には不顕性感染(ふけんせいかんせん:感染しても症状が出ない)の人もおり、本人が感染に気付かないままウイルスをまき散らしてしまう可能性があります。症状が軽くてもまずは医療機関に電話で相談をし、指示をあおぎましょう。

 

妊婦への感染を防ぐために~抗体検査・ワクチン接種を

最も懸念されるのは、妊婦への感染です。妊娠20週までに感染した場合、胎児にも感染する恐れがあります(目・耳・心臓に深刻な障害を起こす「先天性風疹症候群(CRS)」の可能性)。本人も妊娠に気付きにくい妊娠初期ほどリスクが高いため、身近に妊婦がいない人も油断してはいけません。
風疹の抗体の有無を調べるには、まずは抗体検査(免疫の状態を調べるための血液検査)を受け、抗体価が低ければただちにワクチン接種をしましょう。多くの自治体では、主として妊娠を希望する女性や家族を対象に、風疹の抗体検査を無料で実施しています。

 

風疹はワクチン接種で予防可能な感染症です

風疹は一度かかるかワクチン接種をすることで体内に抗体ができ、二度とかかりません(1回接種では抗体ができない人も5%いるため、2回接種で高い効果が得られます)。
母子健康手帳で確認できますが、子供時代に予防接種を受けているか不明な方、風疹にかかったことが確実でない方は、この機会に風疹の抗体検査・ワクチン接種をご検討ください。
特に30~50代の男性は風疹にかかっておらずワクチンも未接種の世代のため、抗体を持たない人が多いので、積極的に抗体検査を受けましょう。風疹ワクチンは3回以上受けても害はなく、MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)を選んでも問題ありません。
ひまわりクリニックでは、MRワクチン1回9,720円(税込)です。お電話にてご相談、ご予約ください。

 

各自治体の助成を確認しましょう

多くの自治体では、風疹の抗体検査・予防接種の助成を行っております。詳しくはお住まいの自治体のホームページをご確認ください。

●浦安市 「麻しん(はしか)風しん予防接種の費用を助成します」

●市川市 「大人の風しん予防接種一部公費助成について」

 

自分のためだけでなく、集団のため、これから生まれてくる赤ちゃんのために、❛風疹ゼロ❜の世の中を目指していきましょう。

参考:国立感染症研究所「風疹Q&A」